ばかにしない
世の中には様々な生き方や考え方があります。それはそれぞれの生まれた時代も違えば、住んでいる所も違う、人種も宗教も生活も違う中で当然と言えることでしょう。あるいは、そのような背景の違いがなくても、人間はそれぞれ一人ひとり違う生き方や考え方をするものです。
しかし、私たちはとかくそのことを忘れてしまいがちです。自分の生き方や考え方にこだわり、人の意見に耳を貸さない人がいます。自分と異なった生き方や考え方をばかにして、頭から否定してしまうことがあります。あるいは、よくよく考えもせずに発作的に思いつきで、ばかにした表現を口にしてしまうことがあります。「ばかにしない」、ありふれた言葉ですが大切なことだと思います。
冷静になって考えてみれば、私たちの周りにある意見、主張、考え方などはどちらかが誤っていて、どちらかが正しいとはっきり言えるものは意外と少ないのではないでしょうか。
ばかにすることからは何も生まれません。人をばかにし、会社をばかにし、社会をばかにすることからは何も生まれません。人間は、ばかにすることで、おごりが生まれます。謙虚さを失い、利己的になり、感謝の気持ちを忘れます。そのおごりによって、いずれ足をすくわれるのです。
素直な気持ちで、ばかにしないで一旦受け入れてみることです。なるほどそういう生き方・考え方があるのだなと。それはその人の生き方・考え方として尊重し、自分は自分の意見を述べる、あるいは行動をする、それが本来のあるべき姿だと思います。
会長 竹中 慎一