ウサギとカメ
ウサギとカメのお話は、誰もが小さい頃に読んだり聞いたりした童話・童謡です。
走りが得意なウサギ。歩みののろいカメをからかったところ、意外にカメがかけっこを挑戦してきた。案の定、ウサギはあっという間に先に行ってしまい、余裕でウトウトとお昼寝。カメはあせらず、自分のペースを乱さず、不断の歩みで、結局は山の頂上へ先に着いてしまうのです。
スピードに自信のあるウサギさん。それゆえに、油断をしてしまいました。今や時代はスピード経営が求められるようになりました。技術革新や労働生産性の議論など、先見性や時代性が問われるようになりました。当然、当社も研究開発型企業である以上、それらに追随していく意識は持っておく必要があると思っています。ただ、結局、走るのは私たち人間です。
あまりスピードばかり追いかけると、心身が疲れてしまいます。油断とともに、一休み、なんてことになりかねません。決して速くはないけれど、わき目もふらず、息を切らさず、前進を続けるカメさんの姿を見習いたいと思います。
合理化、効率化、スピード感ばかりが求められる職場で、何かギスギスした雰囲気ばかりが漂っていませんか。それらも大事なことですが、そこに視点が行き過ぎて、社員の心の余裕まで失ってしまっては組織が成り立ちません。文字通り、忙しさに心を亡くすことなく、お互いが心遣い気遣いを持って協力し合う社風になれたらと思います。
当社は、カメさんのように、あせらず、地道に、不断の努力で歩んできました。今日まで、その時々の自らの実力を見極め、できることをできる範囲で最善を尽くして取り組んできたと思います。慎重に、確実に、地道に経営をしてきた当社の姿勢が、汗にまみれたカメさんの歩みに重なります。あせらず、身の丈に合った不断の歩みこそが最後は勝つ、そう信じて、これからも歩んでいきたいと思います。
会長 竹中 慎一