先人に思いをはせる
いにしえの 先ゆく人の
跡見れば 踏みゆく道は 紅に染む
明治末期から昭和の初期にかけて活躍した教育者、新渡戸稲造の言葉です。
いつの時代においても、どのような組織においても、先人の苦労というものは想像以上に大きいものです。私たちが社業を続けていけるのも、その先人たちの苦労の上にあるということを常に認識しておかなければなりません。
まず感謝しなければならないのは、この日本という国を作り上げてきた先人の努力に対してです。
戦後70年、荒廃した日本を世界有数の経済大国にし、世界一安全・安心で平和な国家にしてきたのは並々ならぬ努力と熱意で額に汗しながらも戦後立ち上がった先人の努力の賜物です。私たちが改めて認識しなければならないことは、今このように生活や仕事ができる環境にあるのは先人のおかげであるということです。
会社においても同じことが言えます。当社も創業60年を越え、多くの先人、先輩社員の努力と熱意のもと、ここまでやってこられました。まず、そのことに感謝しなければならないと思います。私たちが今仕事をしているのは私たちだけの力ではない。先人の汗と涙の苦労の上に立って仕事をさせていただいているはずです。
時が経ち時代が変わる中、私たちのライフスタイルやビジネススタイルは変わってきました。ややもすると、先人たちが活躍した時代の生き方・考え方を揶揄する論調が見られます。しかし、よく考えてください。私たちが今あるのはその生き方・考え方の上にあるのです。否定するのではなく、そのことに感謝しながら、一方で新しい時代を駆けていく。そういう思いが必要だと考えています。