勝てば官軍ではない
「勝てば官軍」という言葉があります。私はこの言葉はあまり好きではありません。そもそも武士道など精神性を重んじる日本では好まれない考え方だと思います。例えば、相撲の世界では横綱がはたき込みで勝つと批判の対象となります。なぜなら横綱には勝ち方や品格が求められるからです。
ビジネスの社会でも、世界規模のグローバル競争にさらされている中では、どのような方法を使っても勝てばよい、結果が全てで「勝てば官軍」という考え方があります。弱肉強食のビジネス社会では勝つか、負けるかが大事ということでしょう。一面、全くその通りと言えましょう。しかし、そういう考え方を続けていては、私は長続きしないと思います。商売には商売の道(商道)というものがあるはずです。私は商道に外れたことをしてまでビジネスに勝ちたいとは思いません。商売には商売の正しい勝ち方がある、やり方がある。甘いと言われようが、私はそこにこだわりたいと思っています。
京セラ創業者稲盛和夫氏の著書「生き方」に書かれていますが、人生や仕事は「能力×熱意×考え方」の掛け算で決まるとおっしゃっています。まさに同感です。いくら能力があっても、いくら熱意があっても、考え方が間違っていれば、大成することはありません。会社において、何かの成果を達成したとしても、誤った考え方、道に外れた考え方で達成したならば、必ず後で後悔します。世間でも、能力もあり熱意もある政治家や経営者が、なぜという道に外れた行為を行い失脚するケースは多々あります。それは考え方が誤っているからです。
勝てば官軍ではなく、商売の道に沿った生き方・考え方を当社は貫きたいと思っています。